AT32F403A を使ってみた その1
Artery tek 製マイコン AT32F403A を入手したのでいろいろ試してみるテスト
概要
AT32F403A は、Artery tek 製の STM32 互換マイコンです。 STM32 と比べて以下の特徴があります。
- メモリが大きい
フラッシュサイズは最大 1MiB、SRAM サイズは最大 224KiB あります。 フラッシュのゼロウェイトアクセス可能エリアサイズが可変になっていて、それによって使用可能 SRAM サイズが変わります。
- 速い
最大 240Hz で動作します。STM32F103 比 3 倍になりますね。 しかも DSP インストラクション対応の Cortex-M4 コアを採用しています。
公式に “Migration SXX32F103 to AT32F403A” なる文章が存在するくらい、STM32F103 のことを気にしている風ですけど、実態としては STM32F4 に近い構成になっています。 もっとも STM32F4 にある USB ホスト機能はありません。
CH32V にもありましたが、謎の SRAM 可変機構を搭載しています。 おそらく起動時にフラッシュの一部をノンウェイトアクセス可能な SRAM にコピーしているのだと思います。 ウェイト挿入時でも 96MHz でフラッシュにアクセスできるそうなので、STM32 と比べれば十分速いと思います。
入手
今回 WeAct Studio 製の AT32F403A ボードを入手したので、軽く試してみたいと思います。 いわゆる “BlackPill” と呼ばれる STM32F4 ボードのマイコンを AT32 に入れ替えたものになるかと思います。 Aliexpress で一個 450円くらいです。 STM32F411 版よりちょっと安い。
開発環境
どうもプロ向けの製品っぽく、無償の開発環境についての資料があまりありません。 プロの人は素直に Keil MDK を使いましょうということなのでしょうか。
確認できる範囲では以下の物があります。
- AT32IDE
Artery 公式の IDE。中身は Eclipse と思われる。
- PlatformIO
Artery 公式の PlatformIO ライブラリが存在します。
- Arduino
WeAct Studio 製の Arduino ライブラリです。
AT32IDE は CH32V の MounRiverStudio レベルの完成度はないように見えます。 一部の AT32 では STM32CubeIDE のような GUI でスケルトンの作成ができるようですが、AT32F403A は非対応の模様です。
とりあえず、一番使えそうといういことで PlatformIO を試してみたいと思います。