Linino わんわんハントセットを使ってみる その1
秋月電子 正月福箱に入っていた Linio わんわんハントセットをいじってみました
はじめに
Linino わんわんハントセットは、Linino One と USB A/Ethernet 用サブボードがセットになったものです。去年の夏くらいから秋月電子で 2000円で売っていたので、気にはなっていたのですが、すでに Linino のサイトが閉鎖されているためファームウェアの更新ができないという注意書きがあったので見送りしていました。
今回、正月福箱に入っていたので、せっかくなのでいろいろいじくってみたいと思います。
概要
大雑把に言うと、ATMega32U4 を使った Arduino (Leonardo 相当)と、MIPS アーキテクチャの CPU に Openwrt ベースの Linux (LininoOS)を組み合わせたものです。 公式ボードの Arduino Yun Mini に相当するものになります。 もともと Linino が開発していたものが、Arduino 公式に採用されたので、どちらかというとこちらが本家かも。
二つのプロセッサ間はシリアルポートで接続されていて、Arduino のシリアルモニタで Linux のコンソールにアクセスしたり、Arduino のスケッチを Linux の Wifi 経由で書き込んだりすることができます。
注意書きにあるように、公式サイト www.linino.org は現在アクセス不能になっています。
普通に L チカしてみる
ボード自体はこんな感じです。 ちゃんと技適の表示もあります。 USB ドングルの裏に MicroSD カードコネクタがあります。
合体するとこうなりますけど、リセットボタンにアクセスできなくなりますね。
本体の USB Micro B コネクタを PC につないで電源を入れます。 Arduino IDE でボードを “Linino One” にすれば、普通に Arduino として使えます。(たぶん Yun / Yun Mini とかでも Ok)
サンプルの blink をそのまま書き込んでみます。
“Bridge” ライブラリを使うと、Arduino から Linux のコンソールにアクセスできます。“Bridge” のサンプルの “YunSerialTerminal” を動かしてみます。
U-Boot 1.1.4-linino-gdd727126 (Mar 19 2014 - 19:37:10)
Linino Board (ar9331) U-boot
DRAM: 64 MB
Top of RAM usable for U-Boot at: 84000000
Reserving 217k for U-Boot at: 83fc8000
Reserving 192k for malloc() at: 83f98000
Reserving 44 Bytes for Board Info at: 83f97fd4
Reserving 36 Bytes for Global Data at: 83f97fb0
Reserving 128k for boot params() at: 83f77fb0
Stack Pointer at: 83f77f98
Now running in RAM - U-Boot at: 83fc8000
Flash Manuf Id 0xef, DeviceId0 0x40, DeviceId1 0x18
flash size 16777216, sector count = 256
Flash: 16 MB
In: serial
Out: serial
Err: serial
Net: eth0: b4:21:8a:00:00:00
eth1: b4:21:8a:00:00:01
eth0, eth1
autoboot in 4 seconds (stop with 'lin')...
## Booting image at 9fea0000 ...
Image Name: MIPS OpenWrt Linux-3.3.8
Created: 2014-10-14 13:28:40 UTC
Image Type: MIPS Linux Kernel Image (lzma compressed)
Data Size: 1129975 Bytes = 1.1 MB
Load Address: 80060000
Entry Point: 80060000
Verifying Checksum at 0x9fea0040 ...OK
Uncompressing Kernel Image ... OK
No initrd
## Transferring control to Linux (at address 80060000) ...
## Giving linux memsize in bytes, 67108864
Starting kernel ...
2014年くらいにビルドしたカーネルっぽいですね。絶対に公海にはつなぎたくない。 ちなみに、このMACアドレスは本当のMACアドレスではないっぽい。
WiFi 経由で書き込んでみる
このボードは WiFi 経由で Arduino スケッチを書き込めるので、まずは WiFi を使えるようにします。
WiFi 未設定状態の場合、“Linino-xxxxx” という名前の WiFi AP が見えているはずなので、そこにつなぎます。(これ書いてるのデスクトップPCだから WiFi ついてないんだよな…)
接続したら、Webブラウザで 192.168.240.1 にアクセスします。
付属の説明書に書かれているパスワードを入力します。
ここで、“CONFIGURE” を押すと、設定画面に入るのでパスワードと WiFi のパラメータを設定します。
設定したら、“CONFIGURE & RESTART” を押して再起動します。 うまく設定できれば linino.local でアクセスできるはずです。
この状態で Arduino IDE をみると、ポートのところに「ネットワークポート」が見えているはずです。
設定をネットワークポートに変更すれば、Arduino IDE から WiFi 経由でスケッチを書き込むことができます。
おわりに
とりあえず Linino One を Arduino として使うことは出来ました。 いかんせん 10 年前の Linux ということでセキュリティ的にも心配なので、なんとかしてみたいと思います。